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- 第3章 とりあえず規則を作ってみよう
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宗教法人の作り方 – 3.3 規則を作ろう 2(役員)
代表役員・責任役員
代表役員は団体の代表者で、事務の執行責任者です。宗教上のトップではなく、事務方のトップと理解してください。宗教家(神主や僧侶など)が兼任しても良いし、別にしても良いです。一般的な神社では、宮司が代表役員に就任するなど、兼ねているケースが多いですね。(「事務」の具体的なイメージは、下記の「職務権限」の項目を参照してください)
責任役員は複数人いて、合議で物事を決める議決機関です。代表役員は責任役員の中から選ばれます。つまり、代表役員も必ず責任役員の一員となります。
員数
役員の人数を定めます。
第二章 役員その他の機関
第一節 代表役員及び責任役員
(員数)
第五条 この団体には、三人の責任役員を置き、そのうち一人を代表役員とする。
責任役員は三人以上にします。とは言っても、「○人以上」、「○人から○人まで」、「若干名」などと曖昧な書き方ではいけませんので、確定数にしましょう。議決をスムーズにするため、偶数ではなく奇数にすると良いかもしれません。
なお、代表役員や責任役員にはそれぞれ別の呼称を定めることもできます。例えば、「代表役員を理事長という」など。ただ、後々説明がややこしくなるため、ここでは定めません。
資格及び選任方法
役員に就任するための資格や選任の方法を定めます。
(資格及び選任)
第六条 代表役員は、責任役員の互選によって定める。
2 代表役員以外の責任役員は、信者名簿に登録された者のうちから、総会において選任する。
ここでは責任役員に就任できる資格として、「信者名簿に登録された者」と定めています。誰でも良いわけではなく、信者のうちから選ぶことを明確にしているわけですね。
選任方法には「互選」や「総会において選任」としていますが、他の方法でも大丈夫です。
任期
任期の長さについては、特に制限はありません。団体の実情に合った適切な任期としましょう。
(任期)
第七条 代表役員の任期は、三年とする。ただし、再任を妨げない。
2 代表役員以外の責任役員の任期は、三年とする。ただし、再任を妨げない。
3 補欠の代表役員及び責任役員の任期は、それぞれ前任者の残任期間とする。
4 代表役員及び責任役員は、任期満了後でも、後任の役員又はその代務者が就任する時まで、なおその職務を行うものとする。
代表役員の選任方法を「責任役員の互選」とした場合、その代表役員は、責任役員としての任期を超えて代表役員に留まることはできません。
職務権限
役員の権限や仕事内容を定めておきます。
代表役員は、対内的には団体の事務全体を管理・執行し、対外的には団体を代表します。そして、その事務を行うにあたっては、責任役員会の議決に従う…という仕組みになります。代表役員といえども責任役員会の議決なしに勝手に物事を進めることはできません。
(代表役員の職務権限)
第八条 代表役員は、この団体を代表し、その事務を総理する。
責任役員は責任役員会を組織します。責任役員会は団体内の最高意思決定機関となるようにしなければなりません。他の議決機関、例えば「総会」「顧問会」などを設けている場合でも、それらの議決だけで事務を最終決定することはできないのです。必ず責任役員会でも同じ議題について議決しなければ有効となりません。
(責任役員会及びその職務権限)
第九条 責任役員は、責任役員会を組織し、次の各号に掲げるこの団体の事務を決定する。
一 予算の編成
二 決算(財産目録及び収支計算書の承認)
三 歳計余剰金及び予算外収入の処置
四 特別財産及び基本財産の設定及び変更
五 不動産及び重要な動産に係る取得、処分、担保の提供、その他重要な行為
六 主要な境内建物の新築、改築、増築、模様替え及び用途変更等
七 境内地の模様替え及び用途変更等
八 借入れ及び保証
九 事業の管理運営
十 規則の変更並びに細則の制定及び改廃
十一 合併並びに解散及び残余財産の処分
十二 その他この規則に定める事項
十三 この団体の事務のうち、責任役員が必要と認める事項
2 責任役員会は、代表役員が招集する。
3 責任役員会の議事は、この規則に別段の定めがある場合を除くほか、責任役員の定数の過半数で決する。
4 責任役員会における責任役員の議決権は、各々平等とする。
5 会議には、議事録を作成しておくものとする。
ここでは議決数を「定数の過半数」としていますが、議決事項によっては「定数の三分の二以上」としたり、他の議決機関の議決が必要であるとすることもできます。
また、会議の議事録は必ず作成して保管しておかなければなりません。
「特別財産」と「基本財産」とは何かについては、後ほど説明します。